地権者の相続人を探して北の大地へ(Part2)
北の大地への遠征で判明した相続調査現場の日常をお届けします。
金沢の風力開発プロフェッショナル集団
リアル・デベロップメント株式会社です。
この記事は、地権者の相続人を探して北の大地へ(Part1)の続編ですので、まだ、(Part1)をお読みでない方は、こちらからお読み頂く事をお勧めします。
戸籍の本籍地とは、ある人の出生から死亡までの家族に関することが記載される戸籍が所在する場所を意味します。
本籍地は住所とは関係がなく、住んでいない場所に置くこともできます。
戸籍は、親とその子で編成されるため、子どもが生まれた時点では本籍地は親の本籍地となります。
本籍地は本人が自由に置く場所を決めることができ、日本国内の市区町村の区域内であれば、基本的に自由に置く場所を決められます。
戸籍謄本は、本籍地の役場でしか取得する事ができないため、本籍を転籍された場合は、転籍先の役場に行かなければ取得できません。
このため引越しの際に現住所とともに本籍地を移動した場合、この戸籍謄本取得は、全ての移動先に対しての取得が必要になります。
さて、風車候補地の地権者様が逝去されていた場合。
その土地をお借りして、風車建設を実現するためには、地権者様との賃貸契約の必要性から、相続登記がされていない場合は、まず、相続登記をすることが必要となります。
このため、登記されている地権者様の法定相続人の調査を行い、すべての相続人の方に、事業内容をご説明し相続手続きを円滑に進めて頂くお手伝いをさせて頂きます。
ほとんどの相続の手続きでは、亡くなった人の最後の住所を証明する書面と、法定相続人の全員の住所を証明する書面が必要とされています。
「転籍を繰り返すと、死後の手続きが非常に面倒になる」というデメリットもあります。
転籍すると引っ越し先の役所で新しい戸籍が作られ、以前の情報は以前戸籍が存在した役所で念のため「除籍謄本」として保管されています。
これは亡くなった後の相続手続きで全て振り返る必要があるため、その際にはすべての役所から除籍謄本を取り寄せる必要があり、非常に面倒な作業となります。
「自分には関係ないし……」と思うかもしれませんが、遺された家族が余計な手間を取ったり、新たな相続人が発覚して揉めたりすることもありますから、出来る限り転籍地は増やさない方が良いかもしれません。
そもそも、これらの内容を理解して転籍をする人の方が少ないのが実状ではないでしょうか。
亡くなった人の相続が発生した際に、初めてその状況を理解するケースが多いようです。
8時間の移動。
ようやく、目的の地権者様のご子孫の方の戸籍謄本を入手する。
その所要時間は、約30分。
その戸籍謄本には、札幌への転籍が記されていたのでした。
北海道は、広い。
知内町から札幌までの移動は、5~6時間。
実は、これらの戸籍謄本の申請は郵送でもできます。
しかし、非常に時間が掛かる事と、昨今の個人情報管理の厳粛化に伴い、漢字1文字でも不整合があると、さんざん待った挙句に『該当なし』といった返信が届くといった事が多いのです。
個人の家系図調査のようにライフワークとして、戸籍調査を行う場合は郵送でもいいかもしれません。
しかし、我々の地権者交渉業務には、時間的制約もあるため、直接、現地入りして窓口対応により、書類上の問題への対処を速やかに実施する事で、相続調査の迅速化を図ります。
そして、地権者の相続人を探しての旅は、札幌へと続きます。
現在、札幌への新幹線建設は、用地交渉のさなからしく、北海道内の移動は特急での移動となり、のんびりしたものです。
車窓から見える景色は、雄大な自然ばかり。
一転して、札幌市に入ると大都会が現れます。
このご時世に、札幌市の人口は年々増加しており、約196万人。
そんなことを考えながら、地権者様のご子孫の方の戸籍謄本を入手します。
またまた、転籍されていました。
といった感じで、1人の地権者様の相続調査でも、多大な時間とコストを掛けて、風力開発というものは進んでいくのでした。
遺された家族が相続で余計な手間を取ることが無いよう、出来る限り転籍地は増やさないようにしようと肝に銘じる旅になりました。
最後までお読み頂きありがとうございます。