地権者の相続人を探して北の大地へ(Part1)
今日は、日常業務である風車候補地の地権者調査をご紹介します。
金沢の風力開発プロフェッショナル集団
リアル・デベロップメント株式会社です。
風力開発業務において、風車を設置する場所は、平均的に良い風が吹く土地を探すことが発電量確保において重要です。
陸上風力開発では、その多くは、山間部で比較的周囲よりも高い土地である場合が多く、
それらの土地の地権者様を探すことは、さまざまな困難が伴います。
土地の登記情報を確認し、地権者様に連絡を取り、風力開発事業についてのご説明をさせて頂きます。
しかし、現実には相続手続きがされないまま、地権者様が逝去されている土地が多いのが実状です。
その場合、登記上の地権者様のご子孫を現地の方々にお伺いして訪ねていきます。
登記されたのは、明治時代という土地も多く、その相続対象の方々も全国に広がっています。
石川県の能登の風車建設候補地の地権者様の相続人調査に、北海道まで遠征する事もあります。
相続人調査で難しいのは、戸籍をたどる場合には、本籍地の区役所で確認するまで、その先が予測不能であることです。
今回の相続人調査の旅は、能登の地権者様の依頼を受けて、北海道知内町に転居されたご子孫をたどる旅です。
北海道は、日本一の風力発電稼働数を誇る
NEDOの2018年3月末現在の公表値で、北海道には304基(358,745kW)の風力発電が稼働しており、県別設置基数では日本一となっています。
北海道の広大な土地に、人家からの離隔距離も十分確保しやすいため、能登とは全く違う風車群を多く見る事ができます。
今回は、あえて金沢から北陸新幹線かがやきで大宮経由で、東北・北海道新幹線はやぶさといった陸路での移動を選択しました。
約8時間におよぶ新幹線での移動。
途中、津軽海峡下に掘られた全長53.85kmの世界最長の海底トンネル、青函トンネルを通過する。
度重なる大量出水に悩まされるなどの難工事で工事開始から開業までに24年を要したトンネル。
トンネル完成から30年、建設開始から数えれば半世紀近く経った箇所もある。
東北新幹線では最高時速320kmで疾走するE5系だが、青函トンネル区間では時速140kmまでしか出せない。
「これより、青函トンネルを通過します。」
との社内アナウンスから、外の景色は見えなくなり、約25分後に北海道に上陸した。
そして、北海道に到達した新幹線が最初に停車する、北海道木古内(きこない)町に降り立った。
新幹線を降り南口に出ると、すぐ目と鼻の先に「道の駅 みそぎの郷きこない」がある。
新幹線駅の真向かいに道の駅があり、はこだて和牛をモチーフにしたご当地キャラクター「キーコ」が、迎えてくれる。
「道の駅 みそぎの郷きこない」には、観光コンシェルジュが常駐し、木古内町を含む9つの町についてさまざまな情報を教えてくれる。
金沢を7時に出発して、知内町民センターに入ったのが15時。
8時間の移動でようやく、目的の地権者様のご子孫の方の戸籍謄本を入手する。
その所要時間は、約30分。
知内町は、あの北島三郎さんの生まれ故郷らしい。
地権者交渉の仕事で、各地を訪問すると、いろいろ思いがけない出会いや気づきがある。
北島三郎さんの少年時代のエピソードをみると、あの人を大切にするありかたの原点が、この知内町の人たちのあたたかさにある事を感じさせられる。
そして、我々は衝撃の事実を知ることになるのであった。