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地権者交渉における相続実務の現場

今日は、相続調査に関する業務の一日の動きをご紹介します。

金沢の風力開発プロフェッショナル集団
リアル・デベロップメント株式会社です。

風車候補地の適地を探した後は、その土地の地権者様を探していきます。

山間部の土地は、登記されている地権者様がすでに亡くなっており、相続されていないことが多くあります。

明治生まれで昭和初期に亡くなられた地権者様。

その土地を、風力発電の土地としてお借りするには、相続手続きを実施し、土地の登記を行い、貸借契約を締結する必要があります。

このため、風車建設等の用地として活用することは、従来、価値のない土地として放置されていた山を、資産として見直していただく機会にもなっています。

今回は、ある昭和初期に亡くなられた地権者様の相続関係を調査させて頂きました。

直接、交渉させて頂いているのは、お孫さんにあたる方です。

これまで、親戚間で、相続や家系について議論に上ることはあったが、あまりに大変すぎて放置されていたそうです。

今回、風車候補地の土地の地権者様として、土地をお借りしたい旨を申し出たところ、相続手続きのお手伝いをさせて頂く事になりました。

2代前のご先祖様の相続対象者は、全国に点在されています。

相続調査は、戸籍謄本をたどりながら進めていきます。

しかし、戸籍謄本は、本籍地の役場でなければ発行できないため、多大な手間が掛かる仕事です。

郵送による発行依頼もできるのですが、その結果によって、さらに追加調査が必要となる場合が多いため、とても時間が掛かります。

ライフワークとしての家系図調査等であれば郵送でもいいのですが、

風力開発の現場では、土地家屋調査士の先生のご協力を頂き、役所に出向いて代理申請することで、迅速に手続きを進めていきます。

対象者は、能登の方ですが、戸籍をたどるとご子孫は、奈良市、大阪市、高岡市、金沢市、氷見市に引っ越されているようです。

桜が花開く時期の早朝に、金沢を出発します。

北陸自動車道を南下して、まずは、奈良市役所を訪問します。

どこの役場も立派な建物です。

土地家屋調査士の先生は、手慣れた様子で窓口の担当者と会話しながら戸籍謄本を取得していきます。

休む間もなく、次なる引越し先の大阪府東大阪市に移動します。

東大阪市役所も壮観な建物で、その展望台からは仁徳天皇陵を望む事ができます。

ゆっくりと観光もできたらいいのですが、戸籍取得に関する窓口だけを、次々にハシゴしていきます。

続いて、大阪港区役所に移動します。

ここでも、戸籍調査を行うのですが、近年は個人情報保護が厳しく、土地家屋調査士の先生であっても、対象者の氏名の漢字が微妙に異なる場合、
『対象者なし』と、さんざん待たされた挙句にそっけない回答を受けることもたびたびです。

ご本人に、記入頂いた氏名が、戸籍に登録されている感じと違う略字である場合など、対象者がいないとはじかれます。

そんな場合、さまざまな方法で対応策をその場で打って頂くのですが、まさにプロの世界は奥深いものです。

そうこうしているうちに、役場の営業時間終了の案内があり、本日の戸籍調査業務は終了します。

今回の調査では、全体の1/3程度の調査ができました。

相続調査は、とても根気のいる地道な仕事です。

しかし、さまざまな人生に触れる事ができるおもしろい仕事です。

風力開発は、こういった地道な仕事を少しづつ少しづつ積み重ねる仕事です。

地権者様も知らなかったご先祖様の人生をお伝えする事で、あらたな信頼関係ができていきます。

風車が回り始めるまで、さまざまな工程があります。

その一つづつを、コツコツと積み重ねる。

私達の仕事は、そんな毎日です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 

 

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