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小水力発電が日本を救う(Part1)

金沢の風力開発プロフェッショナル集団
リアル・デベロップメント株式会社です。

今回は、当社があらたな事業として取組みを開始した
『小水力発電事業』について、ご紹介させて頂きます。

130年稼働し続ける水力発電設備

日本最初の再生可能エネルギー発電所
東北電力株式会社 三居沢発電所

明治21年(1888)7月1日、三居沢にあった宮城紡績会社が、
紡績機用の水車を利用して東北地方で始めて電気の明かりを灯しました。

日本最初の水力発電(再生可能エネルギー)の発祥でした。

東日本大震災による激しい揺れにも被害なく、
設備点検を終了した3日後には発電を再開し
現在もなお最大出力1000キロワットで運転を続けています。

日本初のブラックアウトからの復帰に水力発電が重要な役割

9月6日未明に発生した北海道胆振地方を震源とする最大震度7の胆振東部地震。

被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

厚真町の苫東厚真発電所(石炭火力)に甚大な被害が出て緊急停止したため、
電力の需給バランスが崩れ、ほかの火力発電所などが連鎖的に停止しました。
この影響により、北海道は全域が停電する異常事態に直面しました。

私たちは広域停電の恐怖をまざまざと見せつけられました。
295万戸が停電し、発生から丸1日たっても約131万戸分しか電源は回復しませんでした。

この非常事態を救うために北海道電力は、緊急停止した火力発電所の運転再開には
外部からの電源が必要であり、水力発電所を運転させ立ち上げ、供給の再開を実施しました。

再生可能エネルギーで最も安定的に発電できる水力発電

太陽光発電や風力発電は、
太陽光や風がなければ発電できません。

しかし水は、日本において豊富な資源であり
余程のことがない限りなくなることはない
無尽蔵のエネルギー資源です。

水力発電は再生可能エネルギーの中でも、
安全で燃料もいらない、最も安定して発電できる方法として
見直されています。

水力発電のエネルギー変換効率は80%程度です。
他の発電方式と比べ、非常に効率が良い発電方式といえます。

エネルギー資源のほとんどを輸入に頼る日本にとって、
自然の恵みである水を利用した純国産エネルギーの活用は
重要な課題です。

水路式発電の無限の可能性

水力発電というと『ダム式』のイメージが強いですよね。
しかし、大規模に発電するにはダム建設が必要になります。

これまでに、めぼしい土地での開発行為が実施済みである事や
巨額の建設費用が掛かる事、環境や生態系への影響から
近年では、ダム建設は難しくなっています。

政府の「エネルギー基本計画」では、水力発電と今後の位置づけについて、下記のように述べています。

水力発電は、渇水の問題を除き、安定供給性に優れたエネルギー源としての役割を果たしており、引き続き重要な役割を担うものである。
このうち、一般水力(流れ込み式)については、運転コストが低く、ベースロード電源として、また、揚水式については、発電量の調整が容易であり、ピーク電源としての役割を担っている。
一般水力については、これまでも相当程度進めてきた大規模水力の開発に加え、現在、発電利用されていない既存ダムへの発電設備の設置や、既に発電利用されている既存ダムの発電設備のリプレースなどによる出力増強等、既存ダムについても関係者間で連携をして有効利用を促進する。
また、未開発地点が多い中小水力についても、高コスト構造等の事業環境の課題を踏まえつつ、地域の分散型エネルギー需給構造の基礎を担うエネルギー源としても活用していくことが期待される。

ダムに対して発電機能を追加したり、古い水力発電所をリニューアルして
効率をアップするなどの形で水力発電全体の出力を上げていく。

それに、まだまだ未開発の水路式発電の導入により
地域分散型エネルギー需給構造をいかに広げていくかが課題となります。

では、どのような場所に無限の可能性があるかというと

  • 河川
  • 農業用水路
  • 砂防堰堤
  • 水道用水
  • 下水処理水
  • 工場・ビル内

意外なところに、小水力発電の可能性があるのです。

長くなりましたので、小水力発電の魅力は、次回に続きます。

 

 

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